育成年代の選手に必要な体のケア方法を記載します。



日々の体のケア

【アイシング】激しいトレーニング後・筋肉が疲れていると感じた時

 

普段のトレーニング後、試合後など激しく体を動かした後は、アイシングをお勧めします。

★1回15分~20分まで

★場所:太もも・太もも裏・ふくらはぎなど

 

トレーニングや試合会場など、自宅から近い場合は自宅でアイシングできますが、

遠征など遠方の際は、アイスバックを用意して頂き、トレーニング後、試合後、移動中の車の中でもアイシングを行います。

 

【静的ストレッチ】毎日(トレーニングが無い日も行う事)トレーニング後やお風呂上り

 

ストレッチには、静的ストレッチと動的ストレッチの2つに分けられます。

静的ストレッチは体を静止させ、反動を使わず一定方向に筋肉を伸ばします。

目的としては運動後の筋肉の緊張をほぐし、クールダウンのために行います。呼吸を意識して、ゆっくり行うためリラックス効果があります。

 

※呼吸法としては、鼻から2秒で吸い6秒ほどかけて口から息を吐き出す。息を吐き出す際、筋肉が伸びます。

※トレーニング後の静的ストレッチは、1部位あたり30秒ほど行うようにして下さい。

 

【動的ストレッチ】トレーニング前・試合前

 

動的ストレッチは主に運動前の準備体操として行い、運動や競技のパフォーマンスアップを目的としています。静的ストレッチでは厳禁とされる反動を使った動きで、体を大きく動かして筋肉を温める効果があります。ラジオ体操も動的ストレッチに分類されます。

 

ヴァモラでは、動的ストレッチをブラジル体操で行っています。

日本では、動画などが気軽に見れなかった30年以上前から書籍などで日本に伝わったブラジル体操がありますが、その殆どが間違ったブラジル体操となっています。

 

基本的には関節の可動域を広げる事、筋肉の反動や反発を利用して行う事が必要です。

正しい方法でブラジル体操を行えるように指導致します。

 

【アイスバス】激しいトレーニング後・筋肉が疲れていると感じた時・試合後

 

最近はプロアスリートも取り入れているアイスバスですが、試合やトレーニング後、

30分以内に行うのが効果的です。

 

・トレーニング後、試合後の体の熱を取り疲労回復を早くします。

・暖かいお風呂に浸かってから、通常の水道水を溜めたアイスバスに入ります。

※氷を入れなくても十分効果があります。

・暖かいお風呂に3分~5分浸かり温まったら、水に1分~2分くらい浸かります。

※これらを4回~5回ほど繰り返します。

※慣れないうちは下半身のみでも効果はあります。

・遠方など自宅が遠い場合は、アイシングを繰り返しても良いと思います。

 

【筋膜リリース・マッサージ器】 週1回程度、疲れていると感じる時

 

筋膜リリース・・・筋膜の萎縮や癒着を解消し、正常な状態に戻す。

筋肉と筋膜がきちんと連動して動くように筋膜の萎縮や癒着を解消できる専門のお店があります。

 

整骨院等でどのようなマッサージを行うか、その整骨院によって異なります。

・強く押して筋肉を伸ばす方法

⇒皮膚と筋肉の間に「筋膜」というものがあり、過度な運動やストレッチ不足などで

筋膜が「萎縮」「ねじれ」「癒着」という状態になると痛みます。

強く押して筋肉を伸ばす方法では、筋膜の癒着を解消できない事が多く、逆に筋膜を癒着させる事があります。

 

また、筋膜が癒着するとかなり痛みます。

レントゲンでも異常なし、MRIでも原因が分かりません。その場合は筋膜リリースを行う事で、嘘のように痛みが取れます。

  

下記は、うちで使用しているマッサージ器です。

お風呂あがりに、ふくらはぎ、太ももなど週1回くらいの頻度もしくは、特に疲れた日に行っています。

【トレーニング頻度について】

 

サッカー協会によりますと、育成年代のサッカーにおける頻度は、平日週2回、土日の試合2日間と1週間で4日程度を推奨とされていますが、それ以上、トレーニングを行う場合は、日々の体のケアをしっかり行う事で回避できます。

 

基本的にサッカーはトレーニングすればするほど上達が早くなりますが、怪我をしてしまっては元も子もありません。

 

上記で記載したような「アイシング」「ストレッチ」「アイスバス」「マッサージ」などを活用して頂き、選手の怪我予防、パフォーマンス向上にお役立て頂ければ幸いです。

 

捻挫・打撲・肉離れ

捻挫・打撲・肉離れなどの症状の時は、ライスという処置が必要です。

 

サッカー選手の親なら、必ず知っておきたい事です。

 

RICE処置とは、肉離れや打撲、捻挫など外傷を受けたときの基本的な応急処置方法。

Rest(安静)

Icing(冷却)

Compression(圧迫)

Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字から名付けられました。

早期にRICE処置を行うことで、内出血や腫れ、痛みを抑え、回復を助ける効果があります。

 

もし、試合中、相手選手からファールなどで怪我してしまったら、それ以降は試合には出さず、すぐにライスを実行しましょう。

 

怪我をした箇所(足など)を心臓よりも高い位置になるように、子供を寝かせ、患部を氷水(アイスバック)で15分~20分冷やし、テーピングなどの固定できるもので圧迫します。

 

アイシングと圧迫で、それ以上内出血が広がらないようにします。また、これを行っておけば、翌日の腫れを抑える事が出来ます。

足が腫れているという事は炎症があるという事ですので、足(患部)はお風呂に浸からず、出来るだけ患部を冷やすようにします。

 

アイシングは1回15分~20分、その後、40分~50分放置して自然に温めてから、再度、アイシングを15分~20分という感じで、それを繰り返します。

 

怪我初日は、アイシングを5回~6回行うと、経験上、怪我の治りが早いと思います。

 

また、痛みを抑える「ヘパリン」等の塗り薬、湿布などを使用してサポーターで患部を軽く圧迫しておきます。

 

炎症はおよそ2日~3日間ほど続きますが、足の腫れがなくなれば、今度は温める療法に切り替えます。

 

早く治る荒療治【氷水と熱湯】

これはパラグアイで捻挫した時に行っていた治療法です。

 

①足首が浸かる程度の大きさのバケツを2つ用意します。ゴミ箱などでも可

②バケツ1つに氷水を入れます。もう一つに熱湯を入れます。

③浸ける足の指先から足首上までサラダ油を塗ります。(やけど防止)

④患部の足を氷水に浸けます。(1分~3分)

⑤患部が冷えたら、足を熱湯に3秒~5秒浸けます。

⑥「氷水」「熱湯」を交互に繰り返し20分ほど行う

 

※慣れてきたら、氷水に5分ほど浸けておいても良い。

※熱湯が熱すぎる場合は、給湯器から出る60℃くらいのお湯でも可

※氷水は塩を入れて混ぜておけば、少し溶ける速度が遅くなります。

※最初、氷水に浸けるのが冷たすぎる場合は、普通の水道水の状態で浸け、徐々に氷を追加する。

※お湯の温度が下がるので、都度、熱湯を追加する。

 

※患部を「冷やす」「温める」を繰り返す事で血管の収縮を促し、足の痛みが嘘のようになおります。

それまで痛くて歩きにくいと感じていても、この療法を行えば痛みがなくなり普通に歩けるようになります。

 

また、下記のような超音波治療器も併用して行います。

 

これらで軽度の捻挫であれば3日ほど、中度でも2週間以内には治る事が多いです。

スポーツ障害と思ったら

成長期に多いスポーツ障害

主に下肢に多くみられます。下肢に多くみられる理由としては体重が下肢にかかり、骨や関節へ負担がかかるためです。

 

★オスグッド病(脛骨粗面)
小学校高学年から中学、高校にかけての時期によく見られるスポーツ障害。

太ももの骨の成長に筋肉や腱の成長が追いつかないため、膝下部分が常に筋肉や腱で引っ張られた緊張状態を作り出し、激しい動作や膝の曲げ伸ばしなどを繰り返すと痛みや腫れが起こります。
この状態が長く続くと膝下にポコッと腫れたもの(骨の隆起)が起こることがあります。女子よりも男子により多く見られるケガです。

 

⇒オスグッド病の予防のポイントとなるのが、太ももの前の筋肉である「大腿四頭筋」です。この筋肉を十分にストレッチすることで、オスグッド病を未然に防ぐほか、症状を抑えることができます。

 

ストレッチ方法

https://melos.media/children/40491/2/

 

 

 

★ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)
ジャンプを繰り返すスポーツ選手や長距離走などの選手によく見られるスポーツ障害です。膝のお皿付近もしくはお皿の下あたりの靱帯が、
繰り返しのジャンプ動作や太もも部分の筋肉疲労などによって炎症を起こし、痛みや腫れなどが起こります。ランニングでは通常体重の2~3倍の力が
膝付近にかかるのですが、その重さを筋肉や靱帯が支えきれないことによって起こります。

 

⇒こちらも、大腿四頭筋のストレッチが効果的です。

 

★シンスプリント
 ランニングや練習量が増えると足の脛(すね)の内側あたりに痛みを伴うスポーツ障害です。押すと痛みが出るのが特徴的で、この状態のまま練習を
続けていると疲労骨折になる可能性があるので注意が必要です。筋肉が疲労し、柔軟性が低下することによって、骨を覆っている骨膜が常に
引っ張られた状態となって炎症を起こすと考えられています。

 

 

★踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう 別名:セーバー病、シーバー病)
10歳前後の男児に多くみられる病気で、かかとの軽い腫れ、圧痛(押すと痛いこと)、歩行時痛がその症状です。過激な運動のあとに症状が出ることが多く、
かかとの痛みのため、つま先歩きになることもあります。発育期の子どもの弱い踵骨骨端部(かかとの骨の端でアキレス腱が付着しているところ)に
運動などで負荷がかかり、そこにアキレス腱の引っぱる力が持続的に加わることで、踵骨に血流障害が起こり、踵骨骨端核(かかとの骨の骨端軟骨より
先の部分)の壊死(えし)、または骨軟骨炎を発症するのがこの病気です。

 

また、シーバー病は病院にいけば、成長痛と言われ治療方法はない。と言われますが、

筋膜リリースやゆらし療法を用いて治療すれば早期に治す事が出来ます。

 

シーバー病に悩む選手は多く、1日休めば痛みはなくなっても、トレーニングすれば、すぐに痛みがぶり返します。酷くなると6ヶ月~2年ほど完治するまでかかります。

 

適切な方法で治療すれば1ヶ月~2ヶ月程度で完治します。

 

下記は シーバー病予防、シーバー病の際にソックスの下に履く事で、痛みが和らぎます。

スポーツ障害予防に有効なストレッチ

★大腿四頭筋のストレッチは膝周辺の痛みに有効
 これらのスポーツ障害を予防するためには、普段からのストレッチやアイシングなどのケアが大切。特に膝周辺部のケガには大腿四頭筋と呼ばれる太ももの前の筋肉をストレッチすることが有効です。

 

 大腿四頭筋のストレッチは横向きになり、上にある足を同じ側の手で保持したまま、ゆっくりと後方に引っ張るようにしましょう。太ももの前側が伸びているのを意識しながら20~30秒その姿勢をキープし、また元に戻します。左右とも3~5回程度行うようにしましょう。

また普段から自分の柔軟性をチェックし、ストレッチを習慣化することもケガ予防にとっては必要不可欠です。詳細は「柔軟体操の効果とは?柔軟性を高める運動法」などを参考に行ってみてください。中高生の体は成長途中であることを理解し、練習量や疲労などに注意しながらケガを予防できるよう心がけてみてくださいね。